バカの正義
バカの正義
産経新聞:【一筆多論】沢辺隆雄 歴史は楽しく学びたい
http://sankei.jp.msn.com/life/education/090713/edc0907130846000-n1.htm
発言が度々注目される鳩山邦夫前総務相は平成4年、文部(現文部科学)大臣時代に、大学入試センター試験に異論を唱えた。
歴史の試験問題を例にあげ、暗記しなくては解けないクイズのような問題があると批判し、記述式など各大学独自の選抜試験の充実を求めたのだ。
当時の鳩山文相は、偏差値で機械的に進路を決める業者テスト問題を強く批判し、廃止を打ち出していた。センター試験も「廃止」かと文相の本気度が注目されたが、突然の発言に驚いた文部省事務方は、基礎的な良問が練られていることを強調し、結局、「見直し検討」にとどまった。
「当時の鳩山文相は、偏差値で機械的に進路を決める業者テスト問題を強く批判し、廃止を打ち出していた」
思い出した。埼玉県で業者テストが問題になった時に、「これは不正義です」と怒りまくって業者テスト(偏差値)を学校から排除したのは鳩山邦夫文部大臣(当時)だった。
埼玉県であった学校と業者の癒着、テストの方法に不適切な部分があったことなどを鳩山さんが問題視したのだ。
そして、公立学校から業者テストや偏差値が排除されたのだった。
鳩山さんの公式サイトにも記述がある。
また、偏差値教育を助長していた業者テストを廃止するなど、教育行政に大なたを振るったことでも有名です。
こういうのは「バカの正義」だ。
偏差値教育が正しいなんて言わない。しかし、「偏差値教育を助長していた業者テストを廃止」して誰が幸せになっただろうか、誰が不幸せになっただろうか。
学校から偏差値と業者テストを排除した結果、学校(特に公立学校)の受験指導能力は低下した。その結果、予備校や学習塾が受験指導を穴埋めした。
学習塾に通えない家庭の子供たちは、何も判らないまま受験を迎えることになった。
経済格差が学力・学歴格差へ益々反映するようになった。
これが、鳩山邦夫が正義を追求した結果だ。
貧乏人は良い学校へ通えないと言う結果を彼の正義はもたらしたのだ。
彼がそれを望んでいたとは思わない。しかし、彼の正義は結果的に「貧乏人は受験に不利」であることを助長したことには違いない。
* * *
正義を主張すること、それを否定するつもりはない。業者テストにも郵政民営化にも問題が無い訳じゃない。
しかし、正義を主張すること、特に大臣のような影響力の強い立場で正義を主張する時には、その副作用や反作用を予測し、それを含めて「結果が、国民を幸せにするか、どうか」を考えなくてはならない。
業者テストに反対した鳩山さんは「正義を貫き、庶民の子弟を不幸せにした」のだ。
* * *
正義を貫いた結果、人々を不幸せにする正義は「バカの正義」だ。
そんな正義はクソ喰らえだ。
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