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2005年5月18日 (水)

「静かに語れ歴史教育」荒木肇

「静かに語れ歴史教育」荒木肇
ISBN4-931178-17-0

文章がかたいので読みにくい。だけど時間と頭に余裕のあるときに読みなおしたい本だ。著者の言いたいことには賛成する点が多いので。例えば「『教え子を二度と戦場に送るな』というのも、反省しているようでそうでない。送る、送らないは、やはり自分は安全地帯にいる発想である。」「いつもの教師の手口に慣れきっているので、自分の意見を決して言わない。彼らは意欲が低いのでもなければ...(中略)...もっと他のことで近代史を学びたいといった自由はその学級では認められることがない。」などなど。

私が、いわゆる「平和教育」を受け不満だった点をよく指摘している。現在、学校でどのような平和教育が行なわれているが知らないが、私が受けた平和教育について最も不満な点は「心情的な平和を唱える」だけで「なぜ戦争になったのか」「さける方法はなかったのか」について全く答えていないことだ。

歴史を学ぶことで学んで欲しいこと あるいは自分が歴史を学んで思うことは、「歴史を背負っている」ということだ。私達は、突然空中に親もなく生まれたわけではない。日々つかっている言葉や道具、生活を支えている社会の仕組や常識は、長い時間のなかで育まれたものであること、先祖達の努力と生活があって 今の生活があるということだ。「先祖に感謝しろ」と言うつもりはない。「継続している存在」「受け継いだ存在」であることを覚えてもらえれば十分だ。

細かい記述が多くすらすら読める本ではない。南京事件など細かく論証している。多分、著者は南京事件はなかったと思っている と思う。その当時の日本軍に 中国側が主張するような方法では南京事件を起こす能力がなかったことを淡々と記述してあるが まるで法廷に提出される鑑定書のような印象。これ以外にも戦前の日本社会や軍について説得力のある内容がもりだくさん。

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