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2005年7月11日 (月)

日本をもっとパクろう

日本をもっとパクろう

「模倣される日本ー映画、アニメから料理、ファッションまで」浜野保樹
ISBN4-396-11002-2

「世絵はマンガへと進化した」で、この本の書評を読んで記事を書いてしまった。なんとなくこの本のことが気になっていたので、先日、書店で見かけたとき思わず買ってしましまった。

前半には「世絵はマンガへと進化した」で書いたように日本のアニメを始めとする文化が模倣されているか 実例を上げて述べられている。だが、著者はこの部分よりも むしろ後半の日本の文化の現状についての愁いについての部分の方が言いたかったのではないかと感じだ。

まず「オリジナルとコピー」、オリジナルを知ってしまった人間はコピーでは満足できなくなる。アメリカのメジャーリーグと日本のプロ野球がこの関係ではないかとしている。実際 イチローや松井がMBLに行ったあとのプロ野球の現状をみると「コピーはオリジナルにかなわない」ということが良く判る。プロ野球が「真のワールドシリーズ」をやりたい理由はここにある。サッカーはワールドカップがあるおかげで「弱いかもしれないが本物」という扱いを受けている。日本の金持が「舶来物」を欲しがることを嘆いてもいる。そしてもう一つ、戦後日本が直面した文化の断絶である。占領軍(GHQ)の指示により歌舞伎や剣道なと日本文化は断絶の危機に直面した。幸にもアメリカに日本文化の理解者がいたため、断絶することはまぬがれた。

さて、私達は日本文化を継承しているとはいえ失っているものも多い。私自身、神社のお参りの作法を親からの伝承ではなく本で学んだのである、大したことではないかも知れないが。躰の使い方(しぐさ)、お祭りや年中行事の縁起についても学びなおしたい。そして日本文化のおいしいところをパクろうと思う。ビジネスではなくアートとしてならば「パクられる」ことは最高の称讃なのだから。

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