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2006年8月27日 (日)

満洲の「馬賊(保険隊)」

満洲の「馬賊(保険隊)」

「『馬賊』で見る満洲」
澁谷 由里 著
ISBN4-06-258317-8

民衆は公権力の保護の対象ではなく、いわば公権力から認知された私権力の収奪の対象でしかなかった。そして上層有力者でさえも、じつは官僚の異動や恩顧を失うことなどでいつその権力を取りあげられるかわからないので、やはり公権力によって無条件に守られる対象ではなく、それに依存もしくは寄生する存在であった。そのため有力者は上下を問わず、ますます民衆からの収奪を強め、経済的・社会的な自衛を図った。(P28)


「保険隊」は字句が示すとおり、「保険料」と称する金を名望家たちから受け取り、その家屋・資産を外敵の襲来から守る自衛組織である。ちなみに張作霖の「保険隊」は原則として訳1ヘクタールにつき銀1両で仕事を引き受け、初期の段階では発足した趙家廟を中心に附近7ヵ村の「保険区」を形成したといわれている。だが、「保険料」を受領していない地域では匪賊同様、掠奪・暴行・放火・誘拐などの犯罪行為を展開した。(P64〜P65)

引用したのは、日本が満洲に進出(引きずり込まれた?)時代の満洲の社会と「馬賊(保険隊)」についての描写である。

ここに描写された「馬賊(保険隊)」は単なる乱暴者ではなく、地元の有力者と結びついた「ミニ軍隊」ではないだろうか。

国家は(軍隊を使うかどうかは別にしても)その領域内では、最強の存在でなければならず、「公然とした実力行使」する存在を認めてはならない。

この時代の中国に「国家」は存在したのだろうか。

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