« 今回は練習なのです〜有事体制を再点検 | トップページ | これしきの事を失態と非難できるマスコミの会社があるかしら »

2009年4月 4日 (土)

海上自衛隊のソマリア沖での活動を誇りに思うと共に立法の怠慢を危惧する

海上自衛隊のソマリア沖での活動を誇りに思うと共に立法の怠慢を危惧する

47NEW:ソマリア沖で外国船舶救助  護衛艦、“脱法行為”の疑いも
http://www.47news.jp/CN/200904/CN2009040401000149.html

防衛省によると、ソマリア沖で海賊対策活動中の海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」が4日午前2時40分(現地時間3日午後8時40分)ごろ、海上警備行動の警護対象外のシンガポール船籍のタンカーから「海賊らしい小型船舶に追われている」との国際無線連絡を受けて現場海域に急行、約20分後に追い払った。

海上警備行動での警護対象は日本船籍、日本人、日本の貨物を運ぶ外国船など日本関連の船舶に限られており、脱法的な活動だった疑いがある。防衛省は「船員法の遭難船舶等の救助を適用した。武器などの強制力を使っておらず問題はない」としている。



海上警備行動では日本関係船舶以外の警護はできず、政府は対象を日本と関係のない外国船舶に広げる新法「海賊対処法案」の早期成立を目指している。

船員法14条は「船長は、他の船舶または航空機の遭難を知ったときは、人命の救助に必要な手段を尽くさなければならない」と定めている。

まず、最初に「脱法的な活動」であったとしても、一隻の船を救ったことには違いないことを記しておきたいと思います。救助の要請を無視し見殺しにすることが法的に要請されていたとしても助けた事には違いありません。

   *        *        *

私は船員法14条が「船長は、他の船舶または航空機の遭難を知ったときは、人命の救助に必要な手段を尽くさなければならない」と定めていることを知りませんでした。この条項の解釈次第で外国船であっても救援できることになります。

私のような一般人がこのようなケースについて知らない/予想しないのは、ある意味当然です。しかし、マスコミ(の雇用する専門家)が予想しない/報道しないのは問題ではないでしょうか。

   *        *        *

もし、護衛艦が武器を使用しなければ、海賊を追い払えないような状況であったらどうなっていたでしょうか。どうするべきであったでしょうか。

見殺しにするべきでしょうか。

武器を使用して撃退するべきでしょうか。

危険なのは「武器を使用して撃退し、救助した船から感謝される」そして「国民世論も支持する」ことです。

人間としては、多少のルール違反があっても助けることに反対出来ません。武器を使用したとしてもです。だから、そのような行為(武器を使用しての他国船の救助)を国民世論が支持したとしても不思議ではありません。

それは、とても危険ことです。

ルール違反をして、後から、承認される褒められるというのは、軍隊にとってあってはならない事です。

軍隊が「やったもん勝ち」だと思ったらどうなるでしょうか。

  *       *       *

立法は、軍隊の暴走の危険をさけるために、人の道にそった現実的な法律を定めるべきです。

海上自衛隊のソマリア沖での活動を誇りに思うと共に立法の怠慢がもたらすものを恐れます。

BlogRanking (読む価値のある記事だったらクリックお願いします)

|

« 今回は練習なのです〜有事体制を再点検 | トップページ | これしきの事を失態と非難できるマスコミの会社があるかしら »

コメント

国連至上主義者がいるのに「国際法」を憲法の上にするのに何の躊躇がいるのか・・・どうも日本政府の考えて居る事も野党の考えて居る事も「的外れ」が多い。

投稿: 猪 | 2009年4月 6日 (月) 16時12分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 海上自衛隊のソマリア沖での活動を誇りに思うと共に立法の怠慢を危惧する:

« 今回は練習なのです〜有事体制を再点検 | トップページ | これしきの事を失態と非難できるマスコミの会社があるかしら »