永遠に怨みを残す方法
永遠に怨みを残す方法
毎日新聞:記者の目:欧・米・豪の元捕虜に「敬意」を=花岡洋二
http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20090730k0000m070171000c.html
クームスさんを日本へ招いた市民団体の一人、有光(ありみつ)健さん(58)=東京都千代田区=は「市民レベルでの交流はできていて、捕虜たちから一定の評価を得ていると思う。しかし国や企業が歴史をきちんと検証し、それを踏まえて謝罪することでこそ、けりがつく」と語る。
同感だ。来日した元捕虜たちは個々の日本人にでなく、日本政府・軍や指導者たちの戦争中の行動に冷静な批判を向けることで、長年の憎しみから自らの心を解放しようとしているかにみえるからだ。クームスさんも「我々の苦難を首相に認めてもらうことが、仲間も含め私たちの慰めになる」と訴えた。
日本国は、サンフランシスコ講和条約で解決済という立場を変えてはならない。何故なら、それが平和の道だから。
* * *
クームスさんにとっては、日本政府や該当の企業からの謝罪が慰めになるだろう。でも、戦争は国家間の行為であって、国家同士が講和条約を結んで、ケリをつけたならば、そこで終わりにしなければならない。個々人が勝手に謝罪や賠償を求めることは、恨みつらみをその度に再生産することにつながる。
日本に捕虜になった兵士が、日本を怨むことは仕方がないかもしれない。同じように、敵国に殺された日本人の遺族が、空襲で被害を受けた民間人が連合国を怨むのも仕方ないと思う(その恨みは表面化していないだけではないのか)。
では、その恨みはどうやって晴らすべきなのか。そして、恨みを晴らすことが、みんなの幸せに継るのか?
* * *
国際法も敗戦も関係ない、何故ならここで問題にしているのは、個々人の感情だから。
日本の捕虜の扱いが国際法違反で、広島や長崎の原爆や東京大空襲が国際法違反でないとしても同じ事だ。国際法や戦争の勝敗を持ち出すならば「サンフランシスコ講和条約で解決済」ということになるのだから。
日本に捕虜になった兵士個人の癒しの為に、国際法を越えた行為を行うべきならば、広島や長崎の原爆や東京大空襲を行ったアメリカや満洲へ攻め入ったソ連(現ロシア)や朝鮮半島から引き上げる日本人を攻撃した朝鮮人達に対して、日本人は謝罪を求め、国際法を越えた謝罪が行われるべき事になる。
しかし、そういった行為の連鎖が何を生み出すだろうか。
結局、恨みつらみを再生産し再確認するだけではないのか。
* * *
前の大戦のケリはサンフランシスコ講和条約でついた。恨みつらみは、互いに飲み込んで何も言わない。それが、平和への道であると思う。
例え表面上の平和に過ぎないとしても、恨みつらみをぶつけあう世界よりも何倍もマシなのだから。
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)


(読む価値のある記事だったらクリックお願いします)
最近のコメント