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2009年10月21日 (水)

貧困率について思うこと

貧困率について思うこと

時事通信:貧困率「ひどい数字」=鳩山首相
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009102001029

鳩山由紀夫首相は20日夜の横浜駅前での街頭演説で、2006年の相対的貧困率が15.7%だったことについて、「大変ひどい数字だ。何でこんな日本にしてしまったとの思いの方も多いだろう」と述べ、改善の必要性を訴えた。

今朝、「相対的貧困率」についてやや感情的な記事をアップした。その後、このニュースについてググっていたところ良い記事があった。

Klugクルーク:貧困率が15.7%
http://www.gci-klug.jp/ogasawara/2009/10/21/007099.php

格差社会だの貧困化だのと言う前にこの記事を読んでもらいたいと思う。

  *      *      *

さて、今回の「貧困率騒ぎ」について思ったことを幾つか書きたい。

ひとつめ、「相対的貧困率」という言葉の意味をマスコミは説明するべきだ。ただたた「貧困率が○○%!!」と騒ぐばかりでは問題の認識も解決も出来はしない。騒ぎが大きくなればそれで良い(騒ぎが大きくなって視聴率がとれれば良い)という向きにはそれで良いだろうが、国民に考える材料を提供するというマスコミ人には「相対的貧困率とは何か」を説明してもらいたいと思う。

ふたつめ、「相対的貧困率」は定義からして「貧困率」ではない。国民の年間所得の中央値の半分に達しない人を相対的貧困と言っているわけだから「年間所得の中央値」が十分に低い社会〜例えば北朝鮮とか〜が、日本よりも低い値であっても不思議でもなんでもない。

さらに言うと、日本は格差社会になったと非難する人に言いたいのだが、日本の中産階級が崩壊して「年間所得の中央値」が下がってしまうと、「相対的貧困率」が下がることも十分にありうる。

日本の中産階級を崩壊させて、富を一部の特権階級に集中することで貧困率を改善するというブラックなことだって起こりえると言うくらいの醒めた目で「相対的貧困率」に向き合うべきだ。

みっつめ、鳩山さんは、貧困率をダシにして自民党政権を非難したいようだ。だけど「国民の生活」の改善には、過去の政権を非難したところで益は無い。現政権が何をするかが問題なのだ。民主党政権は「国民の生活が一番」ならば、自民党政権の非難ではなく「解決策」を提示し実行するべきだ。

よっつめ、貧困からの脱出は「教育」にあると言うこと。昔、日雇いの人のドキュメンタリー番組を見たことがある。その中で、一日の収入が○○円で、何に○○円、何に○○円使うと話していたがひっかかった支出があった「缶コーヒーを一日1本飲む、100円」と言っていたのだ。彼はホームレスではなかったからお湯を沸かすことは出来た。であればインスタントコーヒーを飲めば、1杯10円〜20円で飲むことができる。水で溶いてペットボトルに入れて持ち歩けば、外でも飲める。

貧乏な人は贅沢をするなとは言わない。でも彼は「自分に許す贅沢」ではなく「無知」である(インスタントコーヒーにすれば安いことを知らない)がゆえに缶コーヒーを飲んでいるように見えた。

日々の暮らしの中での節約を、同じ働くにしても働き方によっての有利不利を教育されていない人は、同じ量の努力をしても貧乏になりやすいだろう。

そして、人間関係の作り方や働く心構えも、貧乏になりやすさ(貧乏になりにくさ)に影響するだろう。

これも「教育」の一部であるだろう。

そして、そのような事を私達の公教育は疎かにしているのではないだろうか。

このような事を、家庭教育にまかせきりでは、格差は世襲されていくことになる。

学校教育、特に、公教育は格差を無くすための大きな役割がある。




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コメント

貧困は、自民党と教育官僚によって作られました。
自殺も生活困窮も国家衰退も、デタラメな教育政策から生まれています。受験競争で時代遅れの知識を詰め込まされ、世界最低の大学に進学すれば、生活に困窮し自殺者が出るのは当然です。
「おバカ教育の構造」を読んでご覧なさい。
だから、日本各地から、市民による教育革命運動が始まろうとしています。
それが、生き延びるために必要であるからです。

投稿: 暇人 | 2009年10月21日 (水) 23時43分

>貧困は、自民党と教育官僚によって作られました。

おバカ教育の被害者ですね。

投稿: のn | 2009年10月22日 (木) 10時08分

貧困率は官僚によって操作され作られました~~~が正しいでしょうね。
基準が230万円?高校を出て就職した人も、大学出たての貧困者・生活保護も貧困者でしょう。

でたらめな教育をしているのは日教祖で貧困率には関係ない。自殺者も戦後の状況で自殺する人は少なかったのです。弱者製造の教育で人間が弱くなっている自殺は個人の問題でしょう。

生き延びる為に必要な事は生き残る、何でもやって見る根性の問題でも有るのです。靴磨きでもして生きてきた人間も居る事を忘れている。

投稿: 猪 | 2009年10月22日 (木) 10時38分

生活保護も貧困者、計算には加えていませんが本人たちはそう考えています。だから2万円の追加も遠慮なく頂戴する、頂けるものは頂く。配る方の頭が可笑しいですね。

投稿: 猪 | 2009年10月22日 (木) 10時43分

一方では「日本人平均寿命、また延びた 女性は世界一をキープ」なんてデータもありますよ。
ttp://www.asahi.com/national/update/0716/TKY200907160305.html
自殺者数やら貧困率やらが大好きな鳩山民主政権で、平均寿命が縮まないことを祈ります。
それにしても、前の記事のコメントとほぼ同じって・・・まさにおバカ教育の被害者ですね。(言い得て妙)

投稿: ステビア | 2009年10月23日 (金) 03時35分

たしかに、貧困率は相対的な値です。
これだけで、貧困の実態を示すものではありません。
ご指摘のように、国民全体の所得が下がって、中央値が下がると、貧困線も低下して、その結果、貧困率が改善することも起こり得ます。
これは「見かけの改善」です。
しかし、現実はどうでしょうか。
厚生労働省が公表したデータでも明らかなように、97年から06年にかけて貧困率は上昇しています。
ところが、97年以降の所得中央値を調べると、一貫して低下し続けてきたのです。
当然、貧困線も低下し続けています。
それにもかかわらず、貧困線未満の層が増えたのです。
「見かけの改善」が発生するどころか、貧困率は上昇したのです。
03年にちょっと改善したのは、「見かけの改善」だったかもしれませんがね。
9年間通してみたら、そうはなっていない。
これは、単に「貧困の相対的な増加」ではなく、「貧困の絶対的な増加」だと思います。
06年までに、これが起こったということの意味を、しっかり認識する必要があります。
06年は、まだリーマンショックが起きておらず、「戦後最長の景気回復」が続き、企業は「史上最高の利益」を更新していました。
その時期に、これだけ貧困層が増えたのです。
この増加は、高齢化などでは説明しきれません。
15.7%の貧困層、人数にして2000万人のうち、高齢者は500万人だけで、あとは若年層なのですから。
もっとも、こういう分析をしているマスコミもないですね。

投稿: ゆうくんパパ | 2009年10月27日 (火) 16時50分

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