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2010年11月 5日 (金)

ビデオ流出と日本の政治の危機

ビデオ流出と日本の政治の危機

産経新聞:【尖閣ビデオ流出問題】「政権の判断ミス」「投稿者は憂国の士だ」元内閣安全保障室長・佐々淳行氏
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/101105/crm1011051127017-n2.htm

一部で、(ビデオを)漏洩(ろうえい)したのは、海上保安庁か検察庁かという話で厳正に捜査するように言っているが、本来は公開すべき情報で、私は弁護に回ります。中国側が悪いんだから公表すべきだという正義感に燃えた、そういう人間が公表したと思う。

今回のビデオ流出についてのニュースを幾つか拾って見ているが、流出させた人間を非難する意見を殆ど見ない。むしろ、賞賛する意見の方が多い。

これは日本の政治の危機を表している。

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本来、政治の中枢が非公開としたものが公開された、公開した。公開した人間は非難されるのが普通なのだ(例えば、海上自衛隊からイージス艦の機密情報が漏れたとき、漏らした人間を誉めただろうか?)。だけど、今回の流出事件では非難されていない。

何故だろうか。それは政治の中枢が国民の意志・現場の意志とずれているからだ。

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組織の長として、菅首相や仙谷官房長官は失格だ。

組織というものは、命令と規則で動く。しかし、命令や規則だけで統べる事は出来ない。

私も組織に属しているが、現場というものは、納得出来ない命令や規則には逆らう(抜け道を探す)ものだ。現場が命令や規則に従うようにするには、納得させなければならない(でなければ面従腹背状態になってしまう)。

菅首相や仙谷官房長官は、行政・政治の中枢にいて権力者だから、現場が無条件に従うと思っているのだろうか(「オレ、偉いもん。みんな言うこと訊かなくちゃダメだもん」とか思ってないよね)。

組織の長たる者は、組織の構成員を納得させなければならない。

現場や国民の意見が、常に正しいと言うことは出来ない。中枢しか知り得ない高度な情報というものがあるのだから。そんな場合は、権力者たるもの、国民や現場を説得するのが仕事だ。公開しないと決めたのなら「公開しないほうが日本の為になるのだ」と説得できなければならない。

でも、出来なかった。

民主国家における政権には「国民に選ばれた」という権威がある。そのゲタを履かせてもらっている状態でありながら、組織の構成員を説得できず、命令に逆らった者に国民は賞賛を与えている。

菅首相や仙谷官房長官は「逆らった者に賞賛が与えられている」ことをどう思うのだろうか。

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尖閣諸島領海の衝突事件では、沖縄地検が「外交に配慮して」容疑者を釈放し、政権中枢は後追いの形で了承した。実際には政権中枢から指示があったのだろうが、形式的には現場の判断だ。

現場の暴走・越権行為を政治の中枢が認めた形となった。

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現場が本来の業務と権限をはみ出して判断し行動する。政権中枢の判断に逆らったものが賞賛を受ける。現場が「やったもん勝ち」と思ってしまうと、特に警察や海上保安庁や自衛隊のような実力組織の現場が「やったもん勝ち」と思ってしまうと、政権中枢にさからっても正しければ国民から賞賛を受けると思ってしまうと、何が起きるだろうか。

これを政治の危機と言わずして何と言おう。まさに、軍部の暴走を政治が押さえることが出来なかった戦前の状況を思い起こさせる。

まさに、尻尾が躰を振り回しているのだ。

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民主党政権に、戦前の政治家、日本を戦争と破滅に導いた政治家と同じイメージを持ってしまう。と言ったら言いすぎだろうか。

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コメント

佐々氏に「同意」未だ日本は捨てたものでない。

投稿: 猪 | 2010年11月 6日 (土) 09時35分

この期に及んでも民主党政権を擁護するかのようなメディアが多い中で、佐々淳行氏が多くの国民の意思を代弁して下さいました。
管理人さんの仰るように、正に政冶の中枢が国民の意思と現場の意思からズレていると言うか無視して暴走している。
政権転覆のクーデターに発展してもおかしくないとの指摘も現れていますね。

投稿: シルバーな親父 | 2010年11月 6日 (土) 13時37分

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