人類は原発を使い続けるだろう
人類は原発を使い続けるだろう
読売新聞:原発事故周辺住民への損害賠償、国も負担へ
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110323-OYT1T00002.htm
政府は22日、東京電力の原子力発電所の事故で被害を受けた周辺住民らへの損害賠償について、国も負担する方向で検討に入った。
原発事故の際の賠償責任などを定めた原子力損害賠償法に基づき、国が1200億〜2400億円を負担するほか、残りも、東電の支払い能力を上回る部分は国が支援を行う方向で被害額の算定作業に入る。
今回の原発事故、損害額はいったいいくらになるんでしょうか。数兆円ですむでしょうか。
これは原発のコストです。毎年かかるものではありませんが、何十年かに一度、どこかで起きる事故。何十年かに一度の数兆円~数十兆円規模の事故。
その度に損害賠償は、(私企業に払える賠償額ではないので)国が負担する。つまり、私達が私達の税金で払うということ。
私達は、数十年おきに数兆円の支払いをする。
それでも私達は原発を使うのでしょうか。
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私達は原発を使いつづけると私は思います。化石燃料は有限ですから長期的にはコストが上がりますし、経済活動にはエネルギーが必要です。
我が国がエネルギーを使わず、結果として経済規模を縮小させたら、国際社会への影響力が小さくなります。原発をじゃんじゃん使って経済活動を行った別の国に影響下に入ってしまいます。
世界全体で原発禁止に出来るのならともかく、そうでなければ、原発を使って短期的には良い目を見る国が出てきて、他の国も使わざる得なくなる。使わなければ影響下に入ってしまって、結局、間接的に使わされる(原発が無ければ出来ない製品やサービスを使ってしまう)。
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短期的にはともかく、長期的には、人類は「安全に原発を使う」という努力をし続けと「(今度こそ)安全に使える」という幻想を持ち続けることになるのでしょう。
自動車が、毎年、数千人の人間を死なせながら使い続けられているのと同じように。事故を起こしたドライバーが、自分は事故を起こさないと思いながら運転していたように。
原発以外の非化石燃料が、原発以上のエネルギーを供給できるようになる日まで。
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