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2011年5月 7日 (土)

国家としての実力が無ければ

国家としての実力が無ければ

東京新聞:山本長官機の撃墜と同じ 米長官、殺害の正当性強調
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011050501000687.html

ホルダー米司法長官は4日、上院司法委員会の公聴会で国際テロ組織アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディン容疑者殺害について「敵の指揮官を攻撃目標にすることは合法だ。例えば、第2次大戦中に山本(五十六・連合艦隊司令長官の搭乗機)を撃墜した時も行った」と証言し、殺害が正当だったと強調した。

山本五十六連合艦隊司令長官個人を標的にして作戦行動をとること、日本人の自分としては良い気分ではないけれども、戦争である以上、敵将を狙うのは当然であり、狙われるのも覚悟しておくべきこと。

戦争なのだからね。

  *       *      *

このビンラディン殺害で思ったことを2つばかり書く。

ひとつは「アルカイダは国家なのか」・「テロとの戦争は国家間の戦争と同じに扱って良いのか」という問題。「戦争」ならば殺害は(2つめに述べる問題はあるにせよ)正当。そうでなければ裁判なしの殺害は問題がある。

ブッシュ大統領(当時)がテロとの戦争と良い始めるまで、テロは基本的には犯罪として扱われ、軍隊というより警察の担当だった。

アルカイダは国家とは言えないが、個人の犯罪や暴力団のような犯罪組織として扱うには、規模が大きすぎる。国際法には戦争についてのルールはある。犯罪なら各国の国内法や国際協調によって対応できる。アルカイダはちょうど中間にあってルールが無いように見える。

国際社会は新しいルールを生み出さなければならない(現在の国際法は西欧社会の生み出した産物なので、イスラム社会の習慣に適合するのかわからないし)。

ふたつめ、パキスタンの国家主権を犯しているとしか言えないこと。そして、侵犯された側の国家の無力。

日本が関係した事件で似たものを探せば、金大中事件だろうか。韓国政府の捜査機関である KCIA が日本国内に滞在していた金大中氏を拉致し韓国に連行した。ビンラディンの場合は殺害だったが、主権国家に踏み込んで実力行使したことには変わらない。

パキスタンも当時の日本も、国家主権を犯された。パキスタンはビンラディンを拘束する意志か能力を疑われた。また、イスラム原理主義との戦いにおいてアメリカの協力は欠かせない。一時的な関係悪化はあっても、長期間、パキスタンはアメリカとの関係を悪化させたままにすることは出来ないとアメリカに見透かされた。

金大中事件当時の日本も同じだ。日米同盟や(日本にとっての)韓国の防波堤としての役割を考えると、日本の出来ることは限られていた。日本は韓国に見透かされた。

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パキスタンも当時の日本も、国家主権を犯された、それは国家としての実力が足りなかったからだ。

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