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2011年10月10日 (月)

生まれで差別することを否定するなら

生まれで差別することを否定するなら

信濃毎日新聞 社説:婚外子の差別 国会が法改正へ動け
http://www.shinmai.co.jp/news/20111009/KT111008ETI090003000.html

2009年の小法廷の決定も、小差の結論となった。4人の裁判官のうち1人は違憲とし、「婚外子かどうかは子ども自身ではどうにもならないのに、差別することは個人の尊厳と相いれない」と指摘。別の1人は「現時点では違憲の疑いが極めて強い」と補足意見をつけている。

婚外子がどう扱われるべきか、あるいは婚外子の権利とは別に「子ども自身ではどうにもならない」ということを理由に差別だと言ったら、世の中の多くの事が差別だということになる。

例えば民主主義・民主政治。

民主政治において、もっとも大切なものは「だれが有権者か」ということだ。どんな条件を満たせば立候補できるのか。だれが投票できるのか。

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日本での民主政治は戦後に始まったのではない、明治維新以降徐々に始まった。最初は金持ち(納税額)によって区別され徐々に広げられ、大正時代には、男性であることと年齢だけが条件となった。

いや、もう一つ忘れてはならない条件がある。その条件はいまも変わらない。

それは「日本国籍を持っていること」だ。

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さて、私は参政権を持っている。投票できる。それは日本国籍を持っているからだ。

私は何故、日本国籍を持っているか。それは日本人の子供として産まれたからだ。

つまり、私は、子供本人にとってはどうにもならない「生まれ」によって権利を持っている。

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「婚外子かどうかは子ども自身ではどうにもならないのに、差別することは個人の尊厳と相いれない」

では、生まれによって参政権があったりなかったりすることは、差別ではないのだろうか。

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ある子供は、日本国民の子供として生まれ、日本の参政権を持つ。

ある子供は、アメリカ国民の子供として生まれ、アメリカの参政権を持つ。

ある子供は、韓国国民の子供として生まれ、韓国の参政権を持つ。

ある子供は、中国人民の子供として生まれ、まともな参政権を持たない。

これを差別と呼ぶかどうかは知らないが、生まれによって参政権が全然違うことは事実だ。

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ある民主国家の立場にたって考えると、生まれによって参政権の有無を決めている。

民主国家では「生まれ」によって参政権を与えたり与えなかったりしている。生まれによる差別を(単純に&全て)否定していては、民主国家はなりたたない。

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民主政治を理念理想と考えると、生まれによって差別することはおかしな事に思える。

しかし、民主政治を、だれに政治に口を出す権利を認めるかの戦いと考えると、ある利益集団の力(財力や戦闘力)が社会にとって有効か無能か、必要か不要かによって、権利が与えられたり与えられなかったりする。あるいは対立する集団には権利を与えないようにするのは当然だし、自分の子供が多くの権利を得られるように(他人に権利が渡らないように)するのは当然の事だ。

そう考えると、民主政治において「国民という利権集団(その中には自分も自分の子供も含まれる)」を設定し、それ以外に権利を与えないのは当然に思える。

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話題を婚外子の権利に戻す。

婚外子自身にとって、生まれはどうにもならない事だ。でも、それで差別するかどうかを決めるのは「公的に認められた家族や夫婦関係」の利益をどの程度重視するかによる。

それを差別と言うかどうかは結果的な問題にすぎない。

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コメント

この問題はいつも違和感があります。
そんなに差別っていうのなら、差別されないために入籍するなり、子どもを生まないなりの何らかの手法があるはずです。その議論をとばして、婚外子が被差別でとなるからおかしい。
親が差別される原因を作っているのに、子どもに罪はないとか。暴力団の子どもであることに罪はないのに差別されるのはおかしいという主張と同じような。

投稿: 愛読者 | 2011年10月12日 (水) 08時31分

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