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2012年6月 3日 (日)

別解

別解

読売新聞:生活保護受給者 9割に扶養義務親族…札幌市
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news/20120602-OYT8T00015.htm

札幌市の生活保護受給者約5万世帯のうち、9割が民法で扶養義務を負う親族がいる一方で、親族からの仕送りを受けているのはそのわずか4%、1790世帯にとどまっていることが1日、分かった。扶養義務を負う親族の中には、経済的に余力のある親族もいるとみられるが、市には、その実態を調べる権限がなく、対応に苦慮している。

生活保護の受給を巡っては、人気お笑い芸人が高収入を得ているにもかかわらず、十分な仕送りをせずに、母親が受給を続けていたことが発覚し、波紋を広げている。同市では、この問題を受けて調査に乗り出し、初めて扶養義務のある親族の有無について把握した。

朝書いた記事と同じ引用から別解みたいな記事を書く。

お金が惜しくて(だって支援したら貰える生活保護のお金が減らされるし)だったら話は単純。そうじゃない場合はどんな場合だろうか、そういうことを考えてみる。

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96%が(家族であるのに)支援を拒否するとしたら、どんな関係だろうか。支援を拒否された人は、どんな人だろうか。どんな家族関係だろうか。

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家族間の相性が悪くて喧嘩ばっかりしてるとか。DVだったとか。話が通じない相手だったとか。

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生活保護を扱った番組などで、保護を受けている人たちが朝から飲んだくれてたりパチンコをしてたりしているシーンを流すことがある。

もしかしたら、支援を拒否した96%の人達の幾分かは、支援しようとは思ったけれど、とても支援できる相手ではないと思ったのかも知れない。

それが96%が支援しないという数字になっているとしたら。

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もちろん、家族が支援できなければ、社会(行政・制度)が支援するしかない。

しかし、家族が見捨てたような人を支援できるだろうか。難しくないだろか。

難しいと思う理由を2つばかり書く。

ひとつめは、世論が持たないだろうこと。家族に見放されるというのはよっぽどのことだ。そんな人を税金で養うのかという感情的反発が出てくる。政治家は世論に迎合するものだから、生活保護に対する世論が厳しくなれば生活保護制度全体が締め付けられてしまう。

ふたつめは、家族が支援してもだめだった(問題が起きたときイキナリ見捨てるとは思えないから)のに他人である行政の職員に何ができるだろうか、と言うこと。もちろん行政には様々な専門家がいるので、その点では有利だけれど、他人であるという不利な点がある。

朝から飲んだくれているとして、それを諌めるのは「家族」か「公務員」か。家族から叱られても止めなかったような人が、公務員の、つまり他人の言葉で行動を改めるだろうか。

行政は、お金を、税金から出されたお金を与える事はできる。でも、大の大人の行動を改めさせることは難しいだろう。

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生活保護問題の根底には、様々な貧困がある。核家族化することで家族にいる稼ぎ手の数が減っていること・不景気で税収(≒予算)が思うようにならないこと・グローバル化で仕事が海外に流出していること。

これらも忘れてはならないことは当然だが、生活保護が「保護」であるかぎり原理的な難しさを抱えているように思われる。

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