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2012年10月23日 (火)

パソコン乗っ取り~ネットは無法地帯になるのだろうか

パソコン乗っ取り~ネットは無法地帯になるのだろうか

GIGAZINE:掲示板のスレッド経由の遠隔操作で犯罪予告を行う「iesys.exe」の正体まとめ
http://gigazine.net/news/20121011-iesys-exe/

なお、今後、このようなタイプの「犯人に仕立て上げる」タイプのバックドアやボットがあることを前提に警察や検察が捜査をしなければ、無罪であるにもかかわらず逮捕されてしまうケースが多発すると予想され、なおかつ現時点では「IPアドレス」を「指紋」のように警察や検察が扱っている以上、これまで以上にセキュリティに気をつけて自己防衛しなければ、いつこのような犯罪に巻き込まれてもおかしくない、というわけです。さまざまなソフトのセキュリティ関係のアップデートをこまめにすることが自衛のための基本ですが、場合によっては「ゼロデイアタック」のように脆弱性が発見されてセキュリティアップデートされる前にその脆弱性を突いて感染や遠隔操作をするということもあるため、完全な防衛は事実上、不可能です。

これだけの騒ぎが起きていますから、現時点では「『IPアドレス』を『指紋』のように警察や検察が扱っている」なんてことは無いでしょう。もっとも、ここに至る過程で、様々な失敗を警察・検察がしでかしたことは事実で、そのことは責められるべきで、実際各方面から責められています。ですので、私としては警察の失態を責めるのは他の方にまかせて、他の事を少しばかり書きたいと思います。

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「完全な防衛は事実上、不可能です」

今回の場合は慎重に調査すれば痕跡程度は発見できたかも知れませんし、犯人からのメールもあった訳ですが、もし、犯人が完璧に痕跡を消してしまっていたら、あるいはシステムのログを改竄していたら、これは、全ての証拠が被害者を犯人として示してしまいます。でも、実際には真犯人は別にいることを今回の事件は実証してしまったわけです。

「『犯人に仕立て上げる』タイプのバックドアやボットがあることを前提に警察や検察が捜査をしなければ、無罪であるにもかかわらず逮捕されてしまう」

いえ、今回の事例で、警察は「『犯人に仕立て上げる』タイプのバックドアやボットがあることを前提に」しなければならなくなりました。ですから、この心配は杞憂にちかいでしょう。少なくとも(ちゃんとした知識のある)弁護士は指摘するでしょうし。

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さて、ここで問題です。

実際に脅迫行為を行った場合とパソコンを乗っ取られた場合の区別がつかなくなった場合~実際今回の事例で区別がつかないという実例を示されてしまった訳ですが~どうしたら良いでしょうか。

全てのネットでの脅迫行為を証拠不十分として無罪(処罰できない)とするべきでしょうか。それとも、冤罪が発生してでも処罰するべきでしょうか。

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疑わしきは罰せず、という原則を適用するなら、罰しないというのが答えとなります。この場合、何をやっても「知りません、乗っ取られたのではないでしょうか」という言い訳が通用するようになります。

ネットは無法地帯になる訳です。

疑わしきを罰したとしても、真犯人への抑止力とはなりません。何故なら、真犯人は捕まらないし、実際、他人が逮捕起訴されているのを見るのですから、自分は安全だと思うでしょうから抑止力とはなりません。犯罪は止まりません。

こちらの場合もネットは無法地帯になる訳です。

今回の事件は、ネットを無法地帯へとする大きな一歩ではないかと不安でなりません。

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ネットを無法地帯にしないための技術開発、行為者が特定できる方法の確立と(本人が自分を立証できる方法)とプライバシーを守れる方法(匿名でいようと思えば匿名でいられる方法)の両立、そして名乗らずに行った脅迫行為を無視する文化(あるいは、無視はしないがバカにする文化)が出来れば良いのですが。

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