« ウソは駄目です | トップページ | 支持する理由 »

2012年12月 1日 (土)

パレスチナは「国家」ではない

パレスチナは「国家」ではない

毎日新聞:パレスチナ:「国家」格上げ 歓喜に沸く群衆
http://mainichi.jp/select/news/20121130k0000e030208000c.html

ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラのヤセル・アラファト広場に集まった数千人の群衆は29日深夜(日本時間30日午前)、国連総会で「オブザーバー国家」への地位格上げが決まると、喜びを爆発させた。「アブ・マーゼン! アブ・マーゼン!」と、アッバス・パレスチナ自治政府議長の愛称を繰り返し叫び、町には翌日未明まで、車の警笛や爆竹が鳴り響いた。
:


自治区ガザ地区でも支持集会が開かれた。アッバス議長と対立してきたイスラム原理主義組織ハマスが実効支配するガザで、こうした集会が開かれるのは珍しい。

一方、イスラエルの首相府は29日、声明を発表し、「意味の無い決議で、現場では何も変わらない」と決議案採択を批判した。

「国家」とは「領土」「人民」「主権」を持たねばなりません。それ自身で維持する能力を持たななければ国家とは言えません。

ぶっちゃけて言うと、自国の領土の大部分で「暴力を独占」しなければなりません、あるいは、そこまで行かなくても自分の持っている暴力が圧倒的に優位でなければなりません(国家の機関である警察が暴力団やマフィアを目の敵にするのは「暴力の独占」を完全にするためと理解しています)。

「パレスチナ国家」はその地域において暴力を独占しているでしょうか。あるいは、圧倒的優位を確保しているでしょうか。

とてもそうは思えません。

イスラエルと暴力くらべ(戦争・戦闘)をして負けても「国家」でありつづける事は可能です。イスラエルは「外国」ですから。しかし、ハマスはパレスチナです。そのハマスに自分の領域の半分を支配されていては、自国の領域内の暴力において圧倒的優位とは言えませんし、暴力を独占しているとはとても言えません。

  *        *        *

国家は戦争を始めることが出来ます、また、停戦や終戦をすることが出来ます。これは暴力を独占しているから、戦争を始めようと思えば(支配下の軍隊に命令すれば)始まるし、止めると決心すれば(支配下の軍隊に戦闘中止を命令すれば)止めることができます。

しかし、パレスチナ自治政府はハマスの暴力行為(イスラエルへのロケット弾攻撃)を止めることは出来ません。

国家対国家での交渉能力を(最後の最後のところでは)欠いているのです。パレスチナ自治政府と和平の交渉をして妥協し成立させても、ハマスが言うことを聞かないんじゃあ意味がありません。

  *        *        *

ハマス(ガザ地区)とパレスチナ自治政府(ヨルダ川西岸)、二つの国家ならまだしも認めることも出来るかもしれませんが、ひとつのパレスチナ国家であるとは言える状況にはありません。

この国連の議決はタテマエ、あるいは願望にすぎないでしょう。「パレスチナ国家」の他国との(特にイスラエルやアメリカとの)交渉能力を上げることにはならず、パレスチナ内部やマスコミ向けのプロパガンダに終わるでしょう。

BlogRanking (読む価値のある記事だったらクリックお願いします)

|

« ウソは駄目です | トップページ | 支持する理由 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/107287/56225734

この記事へのトラックバック一覧です: パレスチナは「国家」ではない:

« ウソは駄目です | トップページ | 支持する理由 »