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2014年10月16日 (木)

目的は手段を正当化しないし、手段が間違っていては勝てない

目的は手段を正当化しないし、手段が間違っていては勝てない

神奈川新聞:新聞週間に問う(中)権力にすり寄る末路 ジャーナリスト西山太吉さん
http://www.kanaloco.jp/article/79093/cms_id/106771

国家という巨大な権力に一人挑んだその人でさえ感じたことのない不穏な空気だという。「吉田調書」をめぐる朝日新聞へのバッシングに転換点を見ていた。

朝日は東京電力福島第1原発の吉田昌郎元所長が政府の事故調査・検証委員会に証言した聴取結果書を入手。所長命令に違反し、所員が事故現場から撤退したと今年5月に報じた。その記事を誤りだったとして取り消し、謝罪したのは9月のことだ。

裏でうごめくものに目を凝らさねば。西山さんが嗅覚を働かせるのが、そこに至る過程だ。

産経新聞も調書を入手し、8月、朝日の記事が誤りだと報じた。他メディアもこれに続き、9月に入ると政府が非公開としてきた調書を全面開示した。

「思い出してほしい。特定秘密保護法を成立させた安倍政権は最も情報公開に消極的な政権だ。それが今回に関しては情報を公開した。流れをつくった報道各社の集中的な調書報道は、政府が意図的に情報を流した結果だ」

老ジャーナリストの見立ては続く。

「なぜか。政権にとって情報を流すことが好都合と判断したからだ。国の情報を独占管理する政権は情報を操作する。今回はまさにその典型だ」

情報を独占し、意図を持ってコントロールする国家の危うさ-。それは西山さんが身をもって味わってきた。「沖縄密約の全貌を見れば、明らかではないか」

国家も新聞社も個人もない。人間と人間の問題なのだ。人間は、個々の人間には限界がある。だから誰かに託す。国家の運営だったり個人の安全だったり。で、誰に託すかという問題なのだ。国家の本質は暴力だ。自分を守ってもらうために、暴力を行使する権限を誰かに託す。違った人間に託せば、外部からの暴力を防いでくれないどころか、託した暴力がこっちにやってくる。

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「なぜか。政権にとって情報を流すことが好都合と判断したからだ。国の情報を独占管理する政権は情報を操作する。今回はまさにその典型だ」

そうなのかもしれない。しかし、朝日新聞は事実として間違った情報を報道した。自分の思い込みで間違った報道をしたことは事実だ。それを見た読者はどう思うだろうか。政府の情報コントロールに危機感を覚えるだろうか、それとも朝日新聞に対する信用を無くす(減らす)だろうか。

政府の情報コントロールうんぬんではなくて、朝日新聞への信頼を無くすだろう(減らすだろう)。

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政府、あるいは権力への危機感を持ち、権力を監視し疑うことは必要なことだ。しかし、監視者たるマスコミが嘘や思い込みで行動していては、読者に信頼されなくなる。おおかみ少年になってしまう。

いま、マスコミに必要なことは政府を攻撃することよりも、吉田調書のようなことを起こさないことであり、事実を事実として伝えるのう能力の向上であり、誤報を訂正する能力と勇気ではないだろうか。

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短期的には違うけれども長期的には、正直と誠実さは大きな武器になる。マスコミは、正直さや誠実さを武器としてもらいたいと願う。嘘で権力を攻撃したところで簡単に撃破されてしまうだけなのだから。

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権力を監視することは良い。しかし、不正な方法で情報を獲得したり嘘や思い込みで攻撃しても民衆の支持は得られないのだ。

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