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2015年2月 9日 (月)

人間を判っていない社説

人間を判っていない社説

中日新聞 社説:ピケティと暮らしの明日 週のはじめに考える
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2015020802000108.html

世襲財産のあるものだけが豊かになるなら、どんなに頑張っても報われない世の中になります。富裕層は政治的な発言力が強く、公平や平等が土台の民主主義が揺らぎかねません。低成長の日本や欧州では若者にしわ寄せがいき、正社員として就職も結婚もできず、住宅も買えない苦境に陥ります。

処方箋です。ピケティ教授は預金や株、不動産を持つ人に資産額に応じた税金を、税逃れができないよう世界共通で課す「グローバル累進資本税」を提案しています。ただ、富裕層の強い抵抗が予想されます。実現は簡単ではないでしょう。相続税や所得税の累進強化以外にも処方箋を示しています。所得増につながる経済成長、賃上げを伴った緩やかなインフレ政策、社会保障や教育などです。

富裕層への増税が簡単ではないという結論には同意しますが、「富裕層の強い抵抗」という理由については同意できません。というか、この社説は人間の世界というか、利益を獲得しようと互いに争う人間を理解しているのでしょうか。

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富裕層の抵抗なんて、なんとでもなります。民主主義の政治ですから、庶民の圧倒的多数があれば政治的権力(そして、それに付随する暴力)を握れますから、富裕層の財産没収でもなんでも出来ます。

問題は、他国が富裕層に増税したとき、自国は増税しないでおいて、富裕層を誘引しようとする国家の存在です。というか、みんなが苦労している時に、抜け駆けして利益を得ようとする人間の性です。

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日本が富裕層に増税したら、周辺国(中国や韓国、ちょっと離れていますがシンガポール)などは、増税しないことで日本の富裕層を惹きつけようとするでしょう。

逆に、中国や韓国、あるいは東南アジアの国々が富裕層に増税したならば、日本は増税しない事で、彼等の財産とノウハウを吸引できます。

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富裕層への増税が難しいのは、富裕層の抵抗などという理由ではありません。難しい理由は、抜け駆けやズルをしてでも利益を得ようとする人間の性であり、世界に国家が多数あること(多様性があること)、そしてグローバル化が進んでいることです。その事を無視して「富裕層の抵抗」なんて言っていても説得力がありません。というか富裕層を攻撃したいあまり、世界を見えていないのかと心配になります。

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