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2016年2月 2日 (火)

憲法96条の問題点

憲法96条の問題点

神奈川新聞:時代の正体〈248〉改憲(上)
http://www.kanaloco.jp/article/147966

憲法改正について年頭会見で「参院選でしっかりと訴える」と争点に掲げた安倍晋三首相は、数日後の報道番組では「発議に必要な3分の2議席を目指す」と明言してみせた。だが気鋭の憲法学者はどこか鼻白んでいた。首都大学東京准教授の木村草太さんは「犯罪者が刑法を改正しろと言っているようなもの」と切り捨てる。今夏の参院選の結果次第では現実味を帯びる「改憲」。公布から70年を迎えるこの国の最高法規は、いま岐路にある。

「犯罪者が刑法を改正しろと言っているようなもの」、まぁ、これは権力者に対する縛りという意味では正しいかもしれない。国民の代表者(つまり選挙で名前を書いた相手)を「犯罪者」と呼ぶことには感情的な抵抗感を覚えるけれど。

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しかし、憲法96条に問題はある。それは、国会の多数派と国民の多数派の意見が異なったときに、国会の側が勝つということだ。権力者の側(引用元の記事では「犯罪者」)にしか、発議の権限がないことだ。

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例えば、集団的自衛権や原発問題だ。国会では、集団的自衛権や原発再稼働に賛成する人々が多数派だ。しかし、世論調査では微妙であり反対派が多数派かもしれない。

では、こういった憲法改正の発議はどうだろうか。

 憲法九条の第三項として「集団的自衛権は、これを認めない」と付け加える。

もし、日本の国民の多数派が集団的自衛権を嫌っているのであれば、この憲法改正は成立するだろう。そして、こう書かれてしまえば、どんな憲法解釈であっても集団的自衛権の行使を合憲と言い張ることは出来ない。

まさに、権力者を縛ることになるのだ。

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しかし、現行憲法の96条によって、発議すらできない状況だ。これは正しいのだろうか。憲法96条には何か問題があるんじゃないか?

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憲法96条を改正するなら、大胆に、過半数などではなく、5分の1程度の賛成で発議できたり、国民多数の署名で発議できたりするようにしなければならない。

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次に持ち出したのが「96条改正」だ。改憲発議の条件である「各議院の総議員の3分の2以上の賛成」を過半数に緩和しようと動いた。「ところがこれが、思わぬ反発を受けてしまった」

改憲派とされてきた小林節慶応大名誉教授から「裏口入学」と指弾され、憲法学界の権威とされる重鎮たちが「96条の会」を立ち上げ、一斉に反対ののろしを上げた。そこであっさり96条改正の道を諦めた。

言葉尻をとらえるようだけれど、「裏口入学」ではない。憲法改正に国民投票が必要とされているかぎり、それが本試験となる。つまり入学試験に例えるなら、国会での発議は「センター試験の足切り」なのだ。国会での発議という足切りを突破した先に本試験として国民投票がある。

足切りが厳しすぎて誰も本試験に行ったことがない、これが今の状況だ。私は足切りポイントを下げて多くの人が受験できるようにするべきだと思う。

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もっとも、憲法改正の発議のハードルが下がったとしても、集団的自衛権や原発再稼働や夫婦別姓や同姓婚を主張する方々が、憲法改正の発議をするかどうかは微妙だと思う。発議して可決されれば、それは政府や権力者を縛ることになるけれど、否決されたら国民から拒否されたことになる。これは怖いことだ。

特に護憲派の方々にとっては自分達が(自分達の思想が)少数派だという現実を突きつけられることになるのだから。

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憲法96条は(変えるなら)大胆に変えるべきだ。変えないなら、憲法をお経や聖書やコーランのように取り扱おう。

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