« 価値観外交の終焉? | トップページ | 重要であることは認めるが »

2016年11月11日 (金)

「中流層から落ちこぼれる不安を抱えた白人たち」は報われないだろう

「中流層から落ちこぼれる不安を抱えた白人たち」は報われないだろう

朝日新聞:白人層の怒り・疎外感…「異端」トランプ氏を押し上げる
http://www.asahi.com/articles/ASJC46TFVJC4UHBI03Z.html

米国社会の底流にマグマのようにくすぶっていた「既成政治」への怒りが、ドナルド・トランプ氏を大統領の座にまで押し上げた。「有権者の反乱」とも言える動きの主役となったのは、政治に置き去りにされ、中流層から落ちこぼれる不安を抱えた白人たちだった。

トランプ大統領の当選について、さまざまな議論が行われています。そのひとつが「中流層から落ちこぼれる不安を抱えた白人たち」が当選させたというものです。

その真偽は私には判りませんが、彼等の不安・不満は解消しないだろうと言うことができます。何故なら、格差は政治が生み出したものと言うより、科学技術が生み出したものだからです。

  *        *        *

身体を使って行う労働を考えてみましょう。例えば荷物運び。一人の人間が運べる荷物の量は、だいたい同じ。大人と子供、男と女でれば2倍3倍違うかもしれないが、同一条件(性別や年齢)であれば1割2割ちがうかどうか。結果、報酬もそんなに違わない。

対して、精神的、知的な能力を使って行う仕事ではどうでしょうか。芸術でなくても、例えばエクセルのマクロなんかでも、出来る人と出来ない人では天地ほども結果や必要な時間が違います。その結果、報酬の格差も大きくなって当然です。

科学技術の進歩は、人間を単純な労働、肉体労働から開放しつつあります。代わり増えているのが精神的な知的な能力を使った労働です。労働は格差が大きくなる種類のものが増えている。

  *        *        *

格差が大きくなる労働・職業が増えているとしても、それを生活の格差に直結させなければならない理由はありません。政治や社会の出番というか、税制や社会保障・福祉で平準化することが出来ます。

しかし、トランプさんは、こういうことをやるでしょうか。やらないと私は思います。

トランプ大統領を実現させたのが「中流層から落ちこぼれる不安を抱えた白人たち」だったとしたら、彼等は裏切られることになるでしょう。

BlogRanking (読む価値のある記事だったらクリックお願いします)

|

« 価値観外交の終焉? | トップページ | 重要であることは認めるが »

コメント

出勤して同じ時間職場にいる事が同一労働ではない。 同一の生産物やサービスを生み出したときに、同一労働となるのだ。同一生産物を生み出すのに2倍の時間かかる人の賃金が、それでは、半分であるべきか? そうではないだろう、半分未満でなければならないだろう。何故か?納期が送れる事は、負の生産性だからだ。 

投稿: 北極熊 | 2016年11月11日 (金) 13時39分

北極熊さん、こんにちは。

社会や会社に対しての貢献度としてはおっしゃるとおりなのですが、賃金としてはどうなのでしょうか。

私は生産と賃金は比例すべきではあるけれど、厳密でないほうが良いと思っています。理由は3つ。

ひとつめは、治安。

生産出来ない者を排除したり抹殺したり出来ない以上、彼等があまりに貧困であったら治安に問題おきます(犯罪の多くは金に困って...ですから)。

ふたつめは、新人養成。

新人、新入社員は、ほとんど生産できません。果てしなくゼロ。では、賃金ゼロで生活できるでしょうか。出来ません。生産と賃金を直結させたら、新人を育てることが出来なくなります。新人が育たない社会や会社は、構成員が年取って引退するに従って衰退するでしょう。

みっつめは、ふたつめと被りますが。ピークの維持。

高いピークがあるためには、広い裾野が必要です。広い裾野の人々の生産するものはピークの人々の生産するものに対して、ほとんど価値がありません。だからと言って、裾野の人たちの給料をゼロにしていたら、その分野そのものが衰退します。

  *   *   *

科学技術の進歩によって、生産性の格差は大きくなる。でも、それをそのまま賃金や待遇に反映させたら、社会が持ちません。

投稿: 乱読雑記 | 2016年11月13日 (日) 06時16分

治安: 出来ない人には会社を辞めていただき、社会として必要なら生活保護などで手当てするほうが、多数の他の出来る人たちを駄目にしないで済む。 
新人養成: これは、雇い主が投資をしている部分なので、生産や労働によって構成される関係から分離させて考えるべきでしょう。 
ピークの維持: ピークの生産性を持つ人が存在できるのは、多くの凡人がいるからではないと思います。 ピークの人は、たった一人でも、その一人が発揮できる生産性を発揮します。 
科学技術の進歩は、むしろ個々の生産性の差を少なくしていると思います。機械やコンピュータに助けられて、人間単独以上の生産性で仕事をしているわけだから。 

投稿: 北極熊 | 2016年11月14日 (月) 15時09分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/107287/64472813

この記事へのトラックバック一覧です: 「中流層から落ちこぼれる不安を抱えた白人たち」は報われないだろう:

« 価値観外交の終焉? | トップページ | 重要であることは認めるが »