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2017年7月14日 (金)

理想を実現すると残酷な社会になる?

理想を実現すると残酷な社会になる?

東洋経済:「親が貧しい子」は勉強でどれだけ不利なのか 100点満点のうち「平均20点」も低い現実
http://toyokeizai.net/articles/-/179582?page=3

まとめれば、親の経済力と子どもが塾に通う程度には強い正の相関があり、通塾すれば学力が高くなることを確認しているので、親の年収の高い子どもの学力を高めているひとつの要因と想定できる。

江戸~明治~大正~昭和と時代が進につれ教育は普及してきた。特に義務教育が始まった明治は大改革だった。それまで教育を受けられなかった人々が受けられるようになった。身分や経済力によらず教育が受けられるようになった。大いに平等になったと言える。

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いま、収入と教育の相関を砕こうとするなら、明治の改革の困難さとは別の種類の困難さがあるだろう。明治の改革の困難さは「始めること」の困難さと言える。いまの困難さは「80を90にすること」「99を100にすることの」の困難さだろう。方向性は判っているが、努力や費用の大きさに比べて得られる成果の小さい改革。

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ところで、貧困の連鎖、親の経済力と子供の学力・学歴(≒就職・収入)という議論は多くされている。しかし、それらの議論には「遺伝」について述べられることは殆どない。

子供は親から身体を受け取る。知能は「脳」という器官に依存する。脳も身体の一部である以上、遺伝の影響を受けて当然なのだけれど。

そして、そこに残酷な現実がある。

NEWSWEEK:「知能が遺伝する」という事実に、私たちはどう向き合うべきか?
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/01/post-6659_3.php

教育の1つの役割は、知識のない人に知識を、能力のない人に能力を身につけさせることです。文字を知らない人たちに文字を教え、計算のできない人に計算の仕方を教えれば、その人たちは成長し、今までできなかったこともできるようになる----。

ここで忘れられがちなのは、個人差です。確かに人々に教育を施すことで、全体としての知識や能力は上がりますが、同時に個人間の格差も拡大させる方向に働きます。

教育が一部の人にしか与えられなかったときには、能力や知識の差は、その教育を受けたかどうかという環境の差で説明することができました。しかし、誰もが教育を受けられるようになれば、遺伝的な差が顕在化してくるのです。

教育が普及すればするほど遺伝の影響が大きくなる。

言い訳が出来なくなる。社会のせいにできなくなる。親のせいにすることは出来るかもしれないが、どうしようもない。これは残酷なことではないだろうか。

教育は普及すべきだし、よりよい教育を受けられるようになるべきだ。しかし、それは一方で、残酷な社会を作ってしまうのではないだろうか。

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コメント

父が高卒、母が中卒、中学までは同学年が10人程の山奥から、地方の一応の進学校の高校を経て、現役で東大に入った私も、教育を受けられたとしても、その成果を得られるかどうかは個人差があり、それは遺伝に由来すると言う意見に賛成です。 

投稿: 北極熊 | 2017年7月14日 (金) 14時31分

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