デモによる政権打倒は民主主義か
西日本新聞 風向計:運転手が見た光州事件
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/weather_vane/article/410346
この1年間で大統領経験者が2人も逮捕された韓国に対し「行き過ぎた民主主義ではないか。理解できない」という声を何度も聞いた。政治的な理念対立など複雑な背景があり簡単には説明できない。ただ、光州事件を記憶にとどめ、87年に民主化を勝ち取った成功体験から「自分たちの手で政治は変えられる」と考える有権者が多いことが決定的に日本と異なる。
翻って日本。森友学園問題などに絡み政権の不祥事が次々と明らかになっている。だが、閣僚が辞任することもなく、有権者の憤りのデモも大きなうねりには至らない。「日本の民主主義は機能していますか」。ある韓国人にそう聞かれた。なぜそう考えるのか。「タクシー運転手」を見れば少しは分かると思う。映画はきょう日本で公開される。
デモは民主主義にとって重要な要素ではあるけれど、デモで政権を倒すことは民主主義なのだろうか?
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デモに参加できる人間と参加できない人間がいる。思想信条の問題、性格の問題、立場、住んでいる場所、体力などなど。
デモで政権を倒すことは、デモで政権が倒れることを是とすることは、デモに参加できない人間の意志を無視(軽視)することになる。それは民主主義なのだろうか。
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デモで政権を倒すことは、劇的で大衆受けマスコミ受けするかもしれないけれど、それは暴力や威嚇による革命ではあっても民主主義ではない。
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「政権の不祥事が次々と明らかになっている。だが、閣僚が辞任することもなく、有権者の憤りのデモも大きなうねりには至らない」
日本で不祥事が政権打倒にまで至らないのは、「民衆が生命の危機を感じていないから」だ。政治家が汚職や不祥事を起こしたところで、職と食を供給できていれば(民衆の安全を保障できていたら)民衆は暴力的な手段を使おうとはしないだろう。
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